日台海保の合同訓練
2024年09月29日
1972年以来、約50年ぶりに日本の海上保安庁と台湾海巡署(海保)による合同訓練が関東周辺海域で行われました。海軍(Navy)でないところは、中国側への牽制と配慮を意味していますが、最近の中国の軍事行動は他国への領海・領空侵犯を繰り返したり、力による現状変更を進める等、国際社会では目に余る行動と受け止められることも多くなってきました。内政問題の不満のはけ口としている面もありますが、人権問題を含め全ての中国人がもろ手で賛成している訳ではないことは各種報道からも判断できるでしょう。特に中国国内のSNS規制や言論統制、相互監視社会化は、どこかの時点で綻びがでることで国際社会との軋轢やシビリアンコントロールが更に強まることが予想されています。
旧日本軍の統治下にあった台湾とは戦後も良好な関係を保っていますが、韓国・中国のように国民の不満を日本に向ける政権運営は、地政学的にも日本との武力紛争に発展することのリスクを包含していると考えるのが妥当なのかも知れません。アメリカも徐々に国力低下していると言われており、遠くない未来に世界の警察としての役割を担えなくなる可能性を考えれば、あくまでも民間協定の枠組み内で協力できている隣国台湾の存在と関係維持は非常に重要だと思われます。また、ロシア・北朝鮮・中国の関係も利害関係が複雑に絡み合っているようですから、最近不祥事が多発している日本の防衛省(自衛隊)のあり方・再構築と自浄作用をいち早く進める必要があるように感じます。もちろん防衛問題は一朝一夕にはいかない課題であることは日本国民も承知していますが、やはり民主国家を標榜する以上は選挙での意思表示が最も正しい選択だと考えています。
最近、国内で頻発している自然災害や自衛隊での墜落事故等を鑑みれば、単に国防予算の増加を問題視するだけではなく特別公務員職である自衛隊員(必要とされる人員の50%しか補充できていない)や予備役等への質の向上と処遇改善を進めることも「働き方改革」の一つだと思われます。