オフィス鴻

有名観光地の凋落

2025年11月28日

世界各地で観光地でのオーバーツーリズムが深刻になっている中、大韓民国の観光地・最大の港湾都市である釜山が消滅の危険にあると言われています。かつては多くに日本人観光客が押し寄せていたソウル最大の明洞でも空室率が40%を超えており、事業者の経営を圧迫しているそうです。ただ大韓民国政府が発表する統計データの信憑性を危惧する声もありますから、このコラムではあくまでも編集人が経験してきた内容と現在の比較として理解して頂ければと思います。

まず釜山ですが、編集人は今から20年前頃に5回程仕事で渡航しました。その時はまだNoJapan運動は発生しておらず、日本人に対するサービスも特段悪かったと言う印象はありませんでした。市内の料理店でも店主(オモニ)が大変親切にしてくれていたことは覚えていますし、新たな観光都市へと変貌(橋梁の新設など)していく様を目の当りにしていました。現在は人口減少や高齢化に加えて、ソウルへの一極集中による経済の停滞など複数の要因が絡み合っているようで、国際市場や西面などの繁華街でも空き店舗が増え、新築マンションでも入居者が殆どいないと言われています。

またソウルでは政府の規制によりマンション価格の高騰が起き、若者の失業率も高くなってきています。そこに追い打ちをかけるように2019年の反日運動の激化が日本人観光客離れを誘発させ、その後のコロナ禍で更に状況が悪化したことは周知の事実です。また最近は中国からの観光客に対するいやがらせや観光客へのボッタくり被害なども報告されており、最大の観光資源の1つであった明洞(ミョンドン)も観光客離れが進んで開店休業の店舗も多いと言われます。日本でもオーバーツーリズムの弊害が指摘されていますが、編集人の周囲でも大韓民国へ出かけなくなった方が増えていると感じますね。