海外旅行サイトと倫理観
2024年05月13日
2017年、ハワイ旅行をメインとするオンライン型旅行代理店(てるみ倶楽部)の倒産がありました。倒産に至る1年前ごろから信用調査会社への依頼が増えていて、同社から航空会社や宿泊施設等への支払いがされておらずに航空券発行が出来なかったり、現地の宿泊施設を利用できないなどのトラブルが多発したため、日本領事館が自費での帰国を呼びかける事態となりました。また、海外旅行保険に加入していても旅行先で旅行会社が経営破綻して航空券やホテルの代金の入金未確認の場合にはまず補償されません。編集人も家族と海外に出かける際には余りにも安値販売していると思われる旅行代理店は避け、航空券と宿泊施設は可能な限り直接予約・支払するようにしていました。
観光庁は再発防止策として「経営ガバナンスワーキンググループ」を立ち上げ、第1種旅行業者を対象にした弁済業務保証金の引き上げ、募集型旅行商品の入金期限等の変更、決算申告書などの提出を毎年とすることを義務付け省令改正しています。また、海外旅行保険に関しての特約も検討されて現在に至っているようです。現在は、コロナ禍による海外渡航制限により多くの旅行代理店が廃業・人員整理などを行っていたこと、円安による燃料費・宿泊費の高騰、航空運賃の改定などのマイナス要因はありますが、オンライン会議の普及でビジネス需要が減少しているため多くの航空会社が新たな価格設定・有料プレミアム席の増設・ラウンジサービス利用規約の変更などを行っています。
一方で、海外の旅行仲介サイトを利用する方も増え、日本法人であっても本国の法律に基づく規約が優先されることを確認しない(約款・規約等を読んでいない)で各地でトラブルとなる例も多いようです。インターネットの普及で予約サイトの利便性は確実に高くなっている反面、そのほか実在しない宿泊施設を登録・販売する新たな詐欺行為(日本では千葉県で発生しました)なども起きていて、最終的には旅行者自身が責任を負うことになるようです。