生活保護と議員活動
2023年06月27日
日本の社会保障制度の持続可能性と制度改革への警鐘が鳴らされて久しいですが、政治(現政権)が高齢有権者層に不人気となる施策は、先送りされてきた経緯があります。赤字国債発行で社会保障政策改善(最近は防衛費の増額)を行うより、まずは安定的に財源が確保でき、所得税の累進課税(非常にざっくりですが所得330万円で10%、最大45%)を含めても世代間・所得間の公平性が担保できる、使途を明確にした消費税増税などと行政改革・歳出削減策と併行して進めることが、次世代への責任として大切だと感じます。
また、国の一般会計(支出)に占める社会保障費は54%(厚生労働省HP)のうち、年金関連は59兆円(45%)、医療関連は40兆円(31%)、福祉その他は24%(31兆円)となっています。また国会議員1人当たりの歳費は年間約2億円(衆議院465名・参議院248名)、関連歳費は約600億円で合計2千億円、さらに政党交付金は約300億円(国民1人当たり250円)です。つまり、目に見える形の歳出削減(国会議員定数削減など)から手を付けることで、増税や社会保障制度改革についても国民が協力しやすい環境作りの地均しを行い、特に年金は賦課型から積立型へと徐々にでも移行する政策変更をしない限り、終焉の見えたねずみ講的制度の破綻は税収の大幅増加が見込めない限り避けられないと思います。
なお、生活保護者約200万人(保護費総額は4兆円)のうち、約半数が65歳以上の高齢者世帯(国民年金のみ受給の第1号被保険者)です。生活保護に関する行政課題(行政対応の悪さ、不適切対応など)、一部受給者の倫理観(不正受給、射幸性の強い施設に行くなど)の問題視とともに、本来の「困窮の程度に応じて必要な保護を行い、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、その自立を助長する制度」であることを鑑み、一部現金支給以外での支援方法(主に食料品)の導入、医療支援の在り方など、善良な納税者が納得できる説明と不正行為へ厳罰を科すことも重要だと感じます。