病気と感情コントロール
2025年11月28日
編集人は自己免疫疾患(難病)に罹患してから、既に10年が経過しました。当初は疾患そのものすら診断がつかない状態で、今から5年前に鹿児島大学病院で遺伝性疾患と判明しましたが、その後悪性腫瘍を併発していることから余命宣告(5年後生存率)を医師から受けたものの、現在は疾患と向き合いながら生活しています。当初は病名すら分からず投げやりな気分になることも多かったのですが、最近はこの病気で苦しまれる方の治療に少しでも役立ちたいと考えるようになり、少しずつですが治療や社会とのかかわりについても前向きに過ごせるようになった気がしています。
実際に医師が西洋医学で治療できる疾患・症状はまだ少ないともされており、入院中にはやたらと怒りの感情を露わにしたり、医師が勧める治療・服薬・検査などを拒否される方を見かけることがあります。またネガティブな感情が顕著になった時には、精神科医師の診察を受けたこともありました。しかし患者が最も知りたいのは一刻も早く現在の苦しみから抜け出し、これまでと同じように生活したいという願望でしょう。決して医師に責任がないことは承知していますが、この日々の感情の起伏を患者自身でコントロールしていくことの難しさは患者本人にしかわからないと感じています。
様々な書籍には「病は気から」とか「感情のコントロールが重要」といった記載がされています。しかしそれ以上に編集人が重要だと思うことは、医師との信頼関係・家族の支え・病気と言う現状を受け入れること、そして信頼できる情報を集めて自分なりに行動を起こしてみることだと思っています。編集人の場合もある医学論文に記載されていた症状が自分とほぼ一緒であることを知って以降、治療に対する考え方が180度変わりました。ありきたりな言葉で言えば病気を受け入れる感情の余裕領域が増えたことで、様々な観点から人生の意味を再考するきっかけになったのです。



