オフィス鴻

相模原市の財政再建

2024年06月22日

首都圏の政令都市の中でも、社会保障の手厚さで有名な相模原市が第二期行政構造改革プラン(案)を公表しました。これまで将来の少子高齢化等による社会保障費増加などを見越して持続可能な財政基盤を実現し、財政破綻危機を回避するために徹底した歳出削減策を実施してきましたが、それも限界に近付いているそうです。そのため、市主催イベントの縮小や各種団体への補助金見直しを実施してきましたが、更に既存の公共施設27施設の廃止・統合・民間への移管などが検討されているとのことです。その中でも、社会保障施策にもメスを入れていくのは敬老祝い金の廃止、鍼灸等施術料・福祉施設運営費の助成縮小などを行う一方で、相談支援窓口の拡充などにより給付型から支援環境整備に軸足を移していく内容となっています。

なお、直近4年間(コロナ禍での税収減等)の歳出超過額280億円については国の補助金活用等を見込んだ上で毎年40億円分を赤字解消に廻す予算編成とすることで赤字解消の方向へと舵を切るそうです。その他にも、静岡県との協議が難航して着工が遅れているリニア中央新幹線の(仮称)神奈川県駅を中心とした再開発計画など、雇用創出による税収増をベースとした新たな街づくり事業構想も当初予定より原材料費・人件費等が高騰しており追加事業費の増加が懸念されているそうです。編集人は行政財政には詳しくないのですが、民間企業なら倒産してもおかしくないレベルにあるところを、長期財政収支の見直し(民間なら経営構造改革)により乗り切る方向にあるように感じます。

相模原市以外でも東京都足立区ではひとり親家庭の皆さんのライフスタイル・ライフステージに応じて利用できるサービスや制度(助成、貸付、子育て、住まい、就労、相談窓口等)を一覧にまとめた冊子「応援ブック」を毎年発行しています。しかし、今後の生産年齢人口の減少率(人口減少が継続的に進んでいる)から推計すると、地域の学校の閉校や農業の衰退、森林や農地の荒廃、放置耕地の増加、商店街の衰退や地域サービス低下など幅広い影響が懸念されています。