オフィス鴻

米露の駆け引き

2025年05月08日

今年2月、トランプ大統領とプーチン大統領が電話会談で「ウクライナ停戦交渉」を始めることに合意しました。その少し前にはトランプ氏がイスラエルのガザ地区をイスラエルに編入する案を発表していましたが、今回もアメリカ第一主義を掲げるトランプ氏はウクライナ領土の割譲を求めることはあり得るでしょう。国際政治ですから、表向きの報道とは別の次元でトップ同士の駆け引きがあることが想定されます。パレスチナ紛争もウクライナ紛争ともに実際は「戦争」と同じで多くの罪のない市民が犠牲になっていることには変わりありません。いくら両国首脳が「平和」をアピールしても、NATO(北大西洋条約機構)へのウクライナ加盟を徹底的に拒否する姿勢には、バルト3国などが西側陣営に入ることで未だに冷戦よりはまだましな程度の交渉段階だと思っています。

そのそもこの2つの紛争(戦争)はハマスを敵とみなすイスラエル、旧ソ連時代の陣営を築きたいロシアの思惑から始まっています。現在、第三次世界大戦突入の可能性を訴える有識者も多くいますが、いずれにせよ国益第一かつ反対勢力を徹底的に追い込むようなやり方には多くの危険が伴っていることは日本と中国との関係を見ても明らかです。「窮鼠猫を噛む」の諺のように追い込まれた側が徹底抗戦することは容易に想像できますし、中途半端な政策で韓国が国際的に孤立し始めた現実を見れば次は日本・台湾・北朝鮮などでの紛争がいつ起こってもおかしくない状況でしょう。しかし、その意味では日本の外交政策は国民が思ってもいないような形で、着々と進められているようです。

日本でも国家間の緊張である領土問題は、中国(尖閣)・韓国(竹島)・ロシア(北方領土)など明らかに日本の主張が正しいと世界各国から史実上認められています。編集人はどこか特定の国家を贔屓することはありませんが、この2大国+中国の動向はこれからの全世界に大きな影響を与えることでしょう。もっと簡単に言えば、力によって他人の物(今回は土地でした)を搾取するようなやり方には疑問を感じます。