オフィス鴻

艦艇防護ミサイル開発

2025年09月30日

最近の自衛隊の活動は、戦わずして勝つための緻密な戦略性に基づく兵器等の開発や情報戦を主体とした設備強化などが目立っていると感じています。具体的には今年5月に中国海軍の空母「山東」「遼寧」の2隻が、数週間にわたって太平洋上海域で軍事演習を行ったことが確認され、その際に防衛省・海上自衛隊は「むらさめ」「いかづち」「はぐろ」による警戒監視・情報収集を行ったことを公表しています。特に海上自衛隊が様々な手法で収集したデータには通勤記録・航跡・音紋など多くの軍事機密情報が含まれており、現代の情報戦において決定的な抑止力になるものと言われています。

その内容は、両空母が日本に接近して排他的経済水域(EEZ)内を航行したことや戦闘機やヘリコプター発着が500回以上確認されたこと、そしてアメリカ外交政策上の第2列島線(日本・米領グアム・パラオ等に至る防衛ライン)を越えて航行した地図も示されています。近年その活動が日本の防衛にとって目に余るようになってきた中国海軍ですが、日本政府が懸念を表明して中国側に抗議する一方、自衛隊の着々とした国土防衛活動は進化していると考えられます。現実の武力行使に至る前に紛争を防止すると言う考え方は、こでまでの数・量から質への転換を示すものでしょう。

さて表題の艦艇防護ミサイルとは、アメリカ防衛企業から三菱電機がライセンス生産契約した兵器でミサイル発射後の運用負担が可能となるもので、かつ多様な脅威に対して即応できるものとされています。そしてこのミサイルは敵の拠点をたたく反撃能力を有し、情報収集衛星や無人航空機(UAV)と連携して攻撃することも可能だと言われます。自衛隊のHPによれば日本の弾道ミサイル防衛(BMD)の一環として、イージス艦による上層での迎撃とペトリオット(PAC-3)による下層での迎撃を自動警戒管制システム(JADGE)により連携させて効果的に行う多層防衛が基本とのことですね。