親ガチャという感情
2023年11月14日
「現代用語の基礎知識(自由国民社)」に「親ガチャ」というワードが掲載されています。編集人の幼少期(昭和)は高度経済成長の真っただ中でしたが、大人社会・子供社会の中でも貧富の格差は歴然と存在していました。ここでは「親ガチャ」と少子化・未婚化の因果関係を掘り下げるのではなく、なぜこの言葉が若い人達を中心に使われ、「新語・流行語大賞」などで取り上げられたのか考えてみました。そもそも親ガチャとは「こどもは親を選べず、生まれた家庭で人生が決まる」ことだそうで、カプセルトイがランダムに出てくる機械に似ていることから、経済力・遺伝・親子関係などで自分の親が「あたり」か「はずれ」かを判断することだそうです。
昭和中期(30~40年代)は、多少のご近所付き合いがあればいろいろ融通が効いたことも事実です。他人の子供でも、悪いことをすれば叱ってくれたり、世話役のような方もいましたが、現在は隣の住民との接点も殆どなく、ママ友グループなどとの付き合い方に難しさを感じる方も多いようです。また、虐待の連鎖と呼ばれる精神的疾患から子供の育て方・愛し方がわからず、自信が持てず、また現状生活レベルから子供を持つことに大きな不安を抱えている人も多くいるそうです。編集人も、自分の子供には出来る範囲で愛情を注ぎ、養護施設や障害児などと交流してきましたが、確かに親ガチャの負の影響は本人にしかわからず、本人の責任ではないと考えます。恵まれた環境で育った人には完全には理解できないことなのかも知れません。
また、最近は東京都庁前で行われている食料品配賦に親子連れを含む数百人の行列ができており、所得により貧困層に分類される方の中でも雇用問題など格差が拡がっているそうです。ますます人間関係作りがITなどで希薄化される可能性は高いと思う反面、必要な時には他人の厚意に甘えることも間違いではないと感じています。