観光立国タイは銃社会
2024年03月07日
タイでは、20歳以上であれば生活状況、職業、収入、犯罪歴などの身元調査を受けた上で銃所持許可証の申請が可能で、正規ルート以外でも改造されたエアガンはタイの法令上、殺傷能力のある武器として分類されていないためオンラインでの購入が可能だと言われています。また、銃大国と言われるアメリカでは重大犯罪(銃による無差別殺傷など)の多発から銃規制強化への動きがありますが、業界団体のロビー活動が政治と結びついてたり国民の自衛意識の高さなどの側面もあり、現在でも世論が分かれている状態にあると言います。
そのアメリカに比べてもタイでの銃の違法流通量は100人当たり15丁以上、銃流通総数1千万丁以上、1丁30万円前でSNSや繁華街でも購入可能といいますから「微笑みの国」「皇室への尊敬(最近は少し事情が変わっているようです)」などの良い面ばかりを鵜呑みにすることはリスクが高いように思われます。実際、昨年10月には14歳の少年によるバンコクのショッピングモール「サイアムパラゴン」で銃撃事件が発生し、2名の尊い命が奪われる事件が発生しています。独立行政法人日本貿易振興機構 (JETRO)のHPでは、観光立国として銃器に関連する事件の防止を優先的に対応すると確約し、銃規制を強化し、オンライン販売を通じた銃の拡散防止に対処すると約束したとあります。さらにタイ政府内では、銃規制とは別に緊急事態の発生を国民に迅速に知らせる緊急通報システムの導入も検討しているそうです。
ここ数年、編集人は病気療養のため海外に行くことはできていませんが、東南アジアのどの国でも地元の人々が足を踏み入れないギャングが支配するスラム地域がありました。また日本でも30年以上前には近づくことさえ躊躇われるような地域がありましたが、警察による取り締まり強化や地元住民の活動により最近は新たな文化の発信拠点になっていたり、過去の状況を知らない若い人達が新たなビジネスを始めるなど、安心な街に変貌していることもあるようで時代の変遷を感じます。