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警視庁特殊暴力防止対策連合会

2024年08月18日

公益社団法人警視庁管内特殊暴力防止対策連合会(略称;特防連)は、警視庁管内の企業が総会屋等特殊暴力の排除を目的として設立した組織です。警察署単位で30地区に組織された特防協が母体となり、企業が行う反社会的勢力の不当要求行為排除活動を支援しています。また、編集人の元勤務先が所属していた地区では輪番制で会長職を務めるルールがあり、多くの企業では総務部門責任者が窓口となっていて、編集人が会長職になった年には所轄警察署の特殊犯罪対策部門に何度も足を運んだ記憶があります。

かつては、総会屋と呼ばれる上場企業の株式をほんの少し保有して株主としての権利行使を濫用し、新聞・雑誌購読料、賛助金、コンサルタント料などの名目で会社から不当に金品を要求することで成り立っていました。また、総会屋のタイプは経営陣の側にたって株主総会会場で「異議無し」「議事進行」などと大声を発するシャンシャン総会グループ、反経営陣の側に立ってスキャンダルに関する質問や、経営批判を繰り返すグループなどがありました。しかし、2度の商法改正により活動が制約された上、2006年に施行された会社法第120条によって、株主の権利行使に関する利益供与が規制され、総会屋による利益要求自体を禁じる「利益要求罪」も新設されたことで、警察庁の統計によれば、1970年代後半には1万人を超えていた総会屋は、現在では約200人程度まで減少していると言います。しかし、企業に対するおどし・たかり・ゆすり等の反社会的勢力の不当要求行為は、巧妙化・非公然化を強めていると警察関係者が警鐘を鳴らしています。

なお、総会屋のターゲットになったスキャンダルや不正を隠したい一流企業(証券・銀行など)で総会屋に損失補填や不正融資をしていたことが発覚して逮捕されるという事件が続発していました。また、最近の振り込め詐欺なども反社会的勢力が後ろ盾となっているようで、手を変え品を変え、水面下で暗躍している勢力も未だに残っているようです。