オフィス鴻

身元保証サービス

2024年11月14日

日本では世帯主が65歳以上の高齢者単独世帯は、約700万世帯以上という国立社会保障・人口問題研究所の資料があります。同研究所は1996年に厚生省人口問題研究所と特殊法人社会保障研究所との統合により設立され、少子・高齢化や経済成長の鈍化により人口と社会保障との関連は以前に比べて密接となっている現状を鑑み、現在では厚生労働本省に置かれています。主に将来人口・世帯推計(全国・地域)、社会保障・人口問題基本調査、社会保障費用統計の基幹事業において国の政策の企画立案機能を担う政策研究機関としての役割を果たしています。

さて、表題の身元保証サービスですが、編集人の亡父が民間介護施設に入所する際に死後事務が出来る親族を身元保証人とすることが条件となり、母親は高齢のため身元保証人になることができず編集人が代わりになりました。裏を返せば身元保証人が何らかの事情で立てられない場合には、身元保証サービス事業者に依頼することになります。実際に亡父の葬儀ではこれまで一度も経験したことのない行政手続きや遺産相続手続きを行いましたが、綿密にサービス提供事業者と委託内容について擦り合わせをしておかないとトラブルが起きる可能性は高いように感じました。このサービスは高齢者等を対象としたものですが、最近では賃貸住宅の契約時にも同様のサービス提供事業者と契約することを条件としている不動産仲介会社が多いようで、かつてのように配偶者や親族が連帯保証することは少なくなりつつあるようです。

特に高齢の年金生活者の中には、国民年金が収入の全てで年金額も満額でない方も多くいらっしゃいます。長年賃貸住宅で暮らしていたものの建物の老朽化等により取り壊しが決まると、現在の借地借家法では借主の権利が強いことから必然的に立ち退き料等と引き換えに退去することになります。ただし、周辺に同レベルの物件があったとしても高齢を理由に入居審査が通らないことも多く、最終的には行政に頼ることが命綱となることも想定しておくべきでしょう。