車椅子使用時のマナー
2024年03月06日
数年前から街中や病院で、電動車椅子やスタイリッシュな軽量車椅子を見かける機会が増えました。電動車いす安全普及協会では、電動車椅子は道路交通法上は歩行者としての位置付けで、交通ルールを守るよう動画等での啓蒙活動を行っているそうです。また、ただ、国内市場規模は年間2万台程度とのことで、自動車運転免許証を自主返納した方や歩行に難しさを感じる方が気軽に外出する手段としての電動車椅子の普及はこれから増えるものと思われます。また、経済産業省の実証実験(委託方式)でも、高齢者の外出機会を促す取組みとの連動が電動車いす活用に有効であり、コロナ禍による公共交通での移動・外出率の低下が顕著になっている中で、高齢者が地域で暮らし続けるためのモビリティの可能性があると結論付けています。
編集人は車椅子(電動式以外)は上下肢障害により自力コントロールができず、主治医との話し合いで、ゆっくりながら多少の距離の歩行と訪問リハビリを中心に、足の筋力の衰えを少しでも遅らすために週1~2回は自宅周辺の散歩を心がけています。また、公共交通機関運営者(主に鉄道)の視点では、混雑時・無人駅での安全性・人員確保の難しさ、対応に時間を要することへ車いす使用者がクレームを入れる行為などは、事業者のダイバシティに対する善意(税金等は投入されていない)によって支えられている点を理解して空いている時間に行動するように心がけています。
なお、病院内での一般歩行スピード以上の高速で走行する車椅子との接触事故(後方からいきなり衝突され股関節靭帯断裂)や割込み(一言声を掛けてさえくれればトラブルにはならないのですが)での怪我を経験した編集人ですが、障害者側も一般社会との共存について普段から考えておきたいと感じます。また、国土交通省の調査(ハンドル型電動車椅子)では、事故・トラブル等の発生実態例が記載され、飲酒状態での使用、駅構内での高スピード走行、強引に乗車して周囲の乗客の安全を考えない行動など、一部の方にいわゆる常識的なマナーが欠落しているがゆえの問題があるとも指摘されています。