オフィス鴻

転売ビジネスの闇

2024年06月24日

闇サイトで高額報酬を求めて集まった一見の仲間と、高額なポケモンカードを置くショップなどを狙った手荒な窃盗事件や特殊詐欺(受け子・出し子など)が相次いでいます。普通に考えれば、そんなに都合よく稼げる仕事なら自分でやるはずだから「何かおかしい」と思うものですが、善悪の判断すらつかないほど追い詰められた日銭や借金返済に困った方が犯罪行為に手を染めていることに、現代日本の格差の広がりと人とのつながりの疎遠さの縮図であるように感じます。また、警察や報道等では、一度でも闇バイトに応募して免許証などの身分証明書を送付すると犯罪行為だとわかって断ろうとしても家族等へ危害を加える等と脅されるそうで、逮捕されるまで半永久的に足抜け出来ない状態へ陥ると言います。

その他にも、パチンコ店での抽選券に並ばせるなど犯罪ではないものの他人の迷惑となる行為や、新しい商品や限定グッズなどが販売される時には転売目的で大量に買い付ける必要があるため、手配師が1回あたり1千円程度でホームレスやフリーターなどを集め、買い付けや抽選券取得などを行わせることもあるようです。このような射幸心を煽るような販売方法は昭和でもありましたが、野球選手カードの収集等でもここまで組織的に行われてはいなかったように記憶しています。また、自転車からはみ出るほどの空き缶(アルミ缶)を積んだホームレス風の方を見かけることがありますが、1日40kg(約7千円相当)を集めるために他人の敷地や建物に無断で入り込んだり、飲料自販機のゴミ箱を漁ったり、時には行政が行っている分別収集で出された空き缶を勝手に持ち去るなど、犯罪と見做されるような行為もあるようです。

いずれも生きていくための術なのかも知れませんが、ギャンブルは必ず胴元が儲かる仕組みであるのと同じことで、首謀者(多くは反社会的勢力と関係しているとも言われています)が甘い汁を吸うためであり、実行役は単なる駒の1つにすぎず何かあれば一生を棒に振ることがあることを肝に銘じておくべきだと思います。