オフィス鴻

逆走事故の防止策

2024年11月21日

最近は煽り運転、車両窃盗犯罪防止、交通事故時の証明などを目的として、殆どの車両にドライブレコーダーが装着されています。中には360°記録できるタイプもあり、TV報道等でも視聴者提供の動画が放送されています。その動画の中には、明らかに高速道路を猛スピードで逆走する車両(個人的には高齢者や軽トラックが多い気がします)や、歩道や対向車線を無理やり走行する違反車両が多く記録されています。編集人も仕事柄、社用車で交通事故が起こるとその画像を見ることがありましたが、少なくとも接触・衝突など人為的ミスによるもので、法律違反に該当するものは殆どなかったと記憶しています。また、高齢者によるアクセルとブレーキの踏み違いに起因する事故も増加傾向にあり、70歳以上になると運転免許更新時に教習所等での高齢者講習が義務化されています。

ネクスコ東日本の資料によれば、高速道路上での逆走は全国で200件以上あり、その当事者の7割が65歳以上、更に75歳以上が4割に上るそうです。逆走に至る理由は進入路の間違いが最も多いとのことですが、認識なしが2割もありその多くが認知症を発症しているドライバーだと言います。言い換えれば、どんなに看板やペイントで注意喚起しても当事者が認識できていない以上、2割に相当する逆走車が事故を起こすことは防げないのが現状だと考えられます。また、個人情報保護法や個人の自由の保証があるとはいえ事故に巻き込まれた側からすれば、事故後も運転を続ける(過疎地で移動手段がないなどの理由も挙げられています)ドライバーが実質的に野放し(免停程度はあるかもしれません)になっていることに疑問を呈するのは当然のように思います。

また、逆走事故の第一当事者の家族が免許返納を勧めても応じない高齢者も多いそうで、少なくとも逆走行為が明確に立証された場合は道路交通法を改正して最低でも1年以上の免許取り消し処分を課しても、私権侵害には当たらないような法理(判決)が必要だと考えます。