道路陥没事故
2025年04月30日
埼玉県八潮市の県道交差点で、いきなり道路が陥没・崩壊したところに通りかかったトラックが転落するという痛ましい事故が発生しました。原因は1980年代に埋設された下水道管が経年劣化で腐食し損壊したためとされていますが、八潮市では5年おきに調査を行っていました。その腐食を早めたのは汚水から発生する硫化水素が空洞化した地下の空気と触れることで硫酸になったためと考えられています。この事故の影響で周辺地域では下水の使用抑制を要請したり、一部では銭湯を無料開放して更なる崩壊を防ぐための施策を講じたそうです。
あるスタートアップ企業が大企業と協働して道路の安全性確認をトラックやバス、乗用車などに搭載する機器を使用してビジネス実用化に向けた開発を行っています。しかし、日本の多くの公共インフラが1964年に開催された東京オリンピックの時期に整備されており、既に60年以上経過しているものも少なくありません。つまりいつどこで同じような事故が起こる可能性が否定できないと言うことです。さらに昨今の温暖化によってアスファルトやコンクリートの表面温度が非常に高くなっていることも劣化を早める原因の1つでしょう。実際の点検作業では目視確認が殆どで、最近になってドローン等を活用した新技術開発が進められていると言います。
編集人は大学生時代(経営学部)に工学部の授業に勝手に入り込んで、航空工学や土木工学への知見を深めた時期があります。特に土木工学は某理系大学の入試で受験・合格しており、その当時から将来の公共インフラ整備が重要課題になるであろうと想像していました。最近は道路の下に様々なインフラ(電気・通信・上下水道など)が密集しており、東京都内ではそこに地下鉄が加わるため修繕工事も複雑化しています。昭和時代には、年度末(2~3月)になると予算消化のために各地で道路工事が行われていた記憶があります。正直、日常生活で事故に遭遇してもおかしくないほど公共インフラの老朽化が進んでいるように感じます。