電動キックボードと交通法規
2023年08月30日
2023年7月、日本で道路交通法が改正され、電動キックボードは特定原動機付自転車としての交通ルール適用が義務化されました。免許不要・ヘルメットは努力義務(任意)となっており、最高速度6km以下(出力6w以下)であれば歩道走行も可能とのことです。また、警察庁は原付(50㏄以下)区分を廃止し、125㏄以下に変更する検討を始めました。
一足早く普及したヨーロッパ(歩道走行は4カ国以外では禁止)でも、フランス・パリでは事故多発、無法状態常態化により住民投票で9割以上の賛成により、歩道走行は禁止されました。日本でも飲酒運転などのルール違反による死亡事故が既に複数発生しており、コロナ禍と任天堂との商標権問題で激減していた公道走行可能なカート(普通運転免許所有が条件で、最高時速60k))は最近は別の事業者が外国人観光客向けの人気アクティビティとして復活させたり、事故当時者の顔写真が流出する事態も起きたとの報道もあります。
また、警察庁が発表した摘発された違反の半分が信号無視、3割が禁止された歩道走行とのことです。最高速度20km以下で車道・自転車歩行者専用通行帯のみ走行可能、かつ自賠責加入義務はあっても任意保険は推奨(対人・対物無制限で年間保険料は5万円程度)であり、重症・死亡事故を起こした場合に、未成年者(16歳以上)に限らず任意保険未加入では十分な賠償責任を果たせないでしょう。もし加害者が賠償金を払わない(払えない)ような逃げ得ができる状態では、被害者救済にはなりません。いまでも電動アシスト自転車(子連れ仕様)が猛スピードで狭い歩道を走行してくるたびに怯えながら壁際に身を寄せて通過するのを待ち、後方からの自転車・歩行者にも確認を怠らずに杖を使用して歩行している編集人や交通弱者に対しての安全対策が不十分な法改正に思えます。それでも電動キックボードの歩道走行を許可するのは、一体誰のためなのでしょうか?