99歳の逆走ドライバー
2025年09月11日
今年6月に中央高速自動車道恵那山トンネル内で、99歳の高齢ドライバーが車線を逆走して対向車と衝突、相手方運転手に重傷を負わせると言う痛ましい事故が発生しました。当該ドライバーはチェーン脱着所(進入経緯は捜査中)で反対車線に進入して約4km逆走したことが複数の対向車のドライブレコーダーに記録されていたそうです。東京池袋で発生した高齢者による母娘2名を死に至らしめた元官僚は最終的に刑務所内でその生涯を閉じたそうですが、当初は自動車メーカーに責任があったとして訴えていました。最終的には自分の運転ミスを認めたとありますが、亡くなられた方々の命は戻ってきません。
今回の事故でも一部報道によれば親族が条件付(自宅近所のみを走行する)で運転を認めていたそうですが、どうも腑に落ちないのは生活の必要性があったとしても数ヶ月前に田んぼへの転落事故を起こしていた時に適切な対応をしていれば今回の重大事故が防止できた可能性が高いことです。あくまで個人の運転技量が高ければ年齢で一律に返納させることは課題があると思われる以上に親族が発言したとされる「そのそも耳が遠くて、逆走していたことを認識していなかったのでは」という内容は、相手の方への謝罪を述べたとしても決して道義的責任から逃れることはできないと感じます。
また当該運転手が認知機能検査に合格しゴールド免許であったとも報道されており、この事故が過失運転傷害の疑いとされていることにも違和感を覚えます。年齢的にも交通刑務所への収監はないようにも思えますが、いくら事故後に免許返納したにしても残された人生に悔いが残ることでしょう。この年代の方々は高度経済成長期に交通戦争と呼ばれる多くの1万5千人を超える交通死亡事故があったことを忘れてはいないと思われますが、その反面運転免許証に対して大きな拘りがあるとも言われています。正直「またか」と思うこともあり、危険運転傷害・致死罪も視野に入れて適用するべきだと考えています。