オフィス鴻

SNS等の危機管理

2024年06月29日

最近は複数のSNSを活用して情報発信する方が増えている一方で、さまざまな「炎上」や「(根拠のない)誹謗中傷」などが社会問題化しています。例えば、TVキー局のアナウンサーが商品に関する口コミを発信して企業側から利益供与を受けていたステルスマーケティング(ステマ)、YouTubeやTwitterなどで匿名性を悪用した偽情報や悪戯行為の発信・拡散、裏アカウントでの発言の発覚と炎上など、人の生命を脅かす事件も起きています。また、ちょっとした悪意のない不注意や配慮不足だけでも本人が想像していなかったような大騒ぎになったり、企業の人事部等がSNS等から得た情報(裏アカウントなどの調査を専門とする企業もできてきました)を採用判定の参考にすることもあると聞きます。まさに「口は災いの門(元)」となるようです。

そのような事態に遭遇した時、個人または企業は「名誉棄損」「プライバシー侵害」「知的財産権」などの理由で法的対応が可能な場合には、情報の削除、損害賠償請求、刑事告訴などの訴えを起こすことも可能ですが、弁護士等を通じて発信者情報開示請求をしても金銭的・時間的制約などから発信者を特定することが出来ないことも多いようです。幸い編集人はこの類のトラブルに直接巻き込まれたことはありませんが、あるSNSサイトでは投稿後3日間は掲載せず、もし削除したければ可能な冷却期間を置くアングリー・マネジメントの活用を図っているそうです。

今後、ますます生活の中に取り入れられていくであろうSNSですから、個人・企業ともに普段から危機管理を念頭に置いた活動を心掛けることの重要性は増すことでしょう。一方で、自分勝手な言い分や言い訳、感情的な言動などと本来の主旨とは異なると受け止められたならば、想定外のマイナスイメージを増長させることにも成りかねません。場合によっては、最低限のコメントだけで済ませ時間をかけて事態の鎮静化を図ったり、状況次第ではそもそも何も言わない(発信しない)という選択肢も有効的であるように思います。