オフィス鴻

尊敬する上司の訃報

2024年08月30日

編集人は、約7年間にわたって大変お世話になった上司の訃報に接しました。編集人の5歳ほど年上で旧帝大卒の方で、旧二期校(国立大学では帝大の1ランク下)出身の編集人に対して偉ぶったような態度をとることは一切なく、様々なことにチャレンジさせてくれた仕事の恩人でした。もし、バブル期後の金融機関破綻が無ければ、恐らく面識を持つ機会が無かったと思います。東証プライム市場に上場するまで、いくつかの社内課題を特命部下として解決してきましたが、言葉少ないことから周囲から勘違いされる(付き合いづらい)こともあったようです。しかし、編集人にとっては数少ない本音で仕事の話が出来る方であり、経営層レベルの裁量権を与えてくれた大変貴重で稀有な存在でした。また、難病を発症してからも何かと気遣いしてくださり感謝の気持ちでいっぱいです。

規模の大きい企業に在籍していると、いろいろ理不尽なことが身の回りに降りかかってきます。特にビジネスを進めていくうえでは、特に上級管理職になると完全ではない情報(時には恣意的に事実とは異なるものを報告してきます)を基に最終判断を求められることも増えるため、大きなストレスを抱えていることは容易に想像できます。周囲から見れば、「それなりの報酬を貰っているのだから当然」とも思われがちですが、百人いれば百様の考え方や行動があります。編集人の場合は、幸いにも尊敬する経営層直轄で仕事をする機会に恵まれていたため、自分に足りないものに気付くことも多々ありました。

なお、日本の管理職の死亡率が諸外国に比べて高いことは、数年前にイギリスの専門誌「Journal of Epidemiology and Community Health」の研究で発表されました。特に自死率が高いことが特徴的で日本人の気質や企業風土に影響されている可能性が高いことが指摘されています。上司は急性疾患だったと聞いていますが、これまでの数多のご厚意に、ただただご冥福お祈りいたしたいと思います。