オフィス鴻

台湾旅行記(パイナップル)

2025年07月15日

2021年に当時の台湾総統であった民進党の蔡英文氏が自身のSNSアカウントで、台湾産パイナップルの買い支えについて要望を行いました。その要因となったのは中国向けの輸出約6万トンが突如禁輸措置が取られたことにあります。中国政府は「害虫が発見されたため、安全上の正常な措置である」としていますが、その他多くの農産物・水産物(約2千以上)も禁輸となり生産者は大きな打撃を受けました。その背景にあるのは過度な中国依存と政治的背景があるとも言われていますが、中国の国家外交ですから真実はまず語られることはないでしょう。

さてこの禁輸措置に対して日本は大手スーパーを中心に2万トン弱の緊急輸入販売を行いました。日本ではフィリピン産パイナップル(300円前後)が主流でしたが、東日本大震災等での台湾からの支援に対する恩返しとして1個500円程度する台湾産パイナップルが店頭に並び即日完売する店舗も続出しました。実際に食べ比べてみるとわかるのですが、台湾産は少し小ぶりながら芯まで甘く食べられます。今回編集人が台湾へ渡航した理由の1つには、台湾パイナップルの旬が4~6月ということもあり是非現地で食したいとの思いがあったのです。最近では頻繁に日本のスーパーで売られているのを見かけるようになりました。

2024年総統選挙では同じ民進党の頼清徳氏が総統となりましたが、台湾では民進党と国民党が2大政党と言われています。一連の禁輸で打撃を受けたのは台湾中部・東部の生産者で、パイナップル以外にもシャカトウ(釈迦頭)という果物の生産地で経済制裁的な意味合いを持つともされています。いわゆる中国による台湾分裂政策の1つかも知れませんね。しかし我々消費者が求めるのは安全で品質の良い商品であり、可能な範囲で支援を続けることがひいては尖閣諸島を含め日本の国を守っていくことにも繋がるのだと考えています。