墓じまいと家族
2024年04月26日
全国の公営墓地や寺院で「無縁墓」と呼ばれる長期間にわたって手入れや管理料が支払われていない墓地が、総務省の調査でかなりの割合で増加していることが明らかになったそうです。長らく家長制が続いていた名残なのか、亡父の兄弟姉妹には各家庭それぞれにどのような事情があったのかは不明ですが、三男である亡父が墓地の相続人となりました。また、編集人は亡祖父の面倒を最後まで実母が金銭面を含めて見てきたことで先方の兄弟姉妹と相当の確執があったことを知っていたため、実母の意向を確かめた上で編集人が相続することにして、実父が亡くなくなった後は煩雑な行政手続きを経て約2年以上かかって墓じまいを行いました。具体的には編集人が父方の兄弟姉妹との窓口となり、相続や墓じまいに関する承諾書の取り付けなど法的に問題が起きないように周到に準備して、最終的には共同墓地内への合祀という形で先祖供養しました。
実父には生前にこの問題についてどのようにしたいのか数度聞きましたが、その都度黙り込んで別の方向を見るだけでした。ある日、両親がある有名な寺院に自分たち用のお墓を買って檀家になったことを知らされました。突然守るべきお墓が2つになったことで、編集人の死後に子供に金銭的負担もさせず、また無縁墓にしないためには、どちらかの墓じまいをする必要性が生じた訳です。また、両親が寺院の檀家制度を十分に理解しないで新たなお墓を作ったため、その墓地に誰が入るのかなどを含めて今年の7回忌に編集人の実母と姉妹の意見を聞くことにしています。
実際には、公営墓地でしたので墓じまいに関連する費用は数十万円程度で済みましたが、檀家の墓じまいともとなれば数百万円が必要となるそうです。特に地方の集落などでは神道(神社)とは違い後継者のいない寺院も多いそうで、墓石の撤去だけでも産業廃棄物扱いのため20万円程度は必要となりますから、金銭的負担ができない親族(管理者)は居住地を移すなどして逃げるケースもあるようです。