敬老の主旨
2025年12月13日
毎年9月15日は、国民の祝日に関する法律によって「敬老の日」と定められています。その主旨は多年にわたって社会に貢献してきた老齢の方々を敬愛して長寿を祝う日とされていて、戦後間もないころに農閑期にあたる9月に祝事として行われたのが始まりとされています。当時は55歳以上の方が対象だったそうですが、現在では一般的に65歳以上を対象としているようです。しかし高齢者雇用安定法の施行により本人が望めば原則65歳までは雇用義務が課されていたり、70歳までの雇用延長が議論されている中での65歳はまだ老齢ではなく中年層のようにも感じられます。
厚生労働省によれば、2025年度で100歳以上の方は全国で約99,000人となり、そのうち女性が80%以上を占めています。最高齢は奈良県在住の114歳ですが、統計開始時の1963年には153人であったことを鑑みれば、いかに日本人の寿命が延びているのかに気付かされます。また100歳に到達すると内閣総理大臣から祝状・記念品(銀杯)が贈呈されており、以前は自治体によって100万円が支給されていたことを思い出します。ただ寿命が延びることは非常に喜ばしいことなのですが、一方で社会保障問題などこの先避けて通れない課題があるのも事実です。
実際に75歳まで生存される方は男性で75%、女性で87%という統計資料もありますから、日本全体での社会保障制度を今後どのように設計していくのかは非常に重要な課題だと認識しています。また現在の年金制度は高齢者にとって非常に有利に設計されているように感じられる面もあり、これからは世代間格差を含めた日本国民全体での公平性確保が政治にも大きな影響を及ぼすことが考えられます。編集人はこれから生きていくであろう人生の長さよりも、いかに自分らしく残された人生を全うしていくのかを考えながら日々を過ごしていきたいと感じています。



