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新暦と旧暦

2025年11月04日

日本で暮らしていると季節の変わり目等に新暦と旧暦の時間差を感じることがあります。現代社会に西洋文化が持ち込まれた明治時代以前は、電気や天気予報もない日本人特有の季節感を表す俳句等の文化が根付いた時期とされています。私たちの周囲にも季節を感じる多くのイベントがあり、春は花見、夏はお祭り、秋は五穀豊穣の味覚を楽しむ、冬は雪景色など言えば風景が眼に浮かぶでしょう。このような日本の文化や価値観は、他国には殆どない日本語特有の音の響きやリズム感と相まって趣深さを醸し出しています。母音主体の日本語が季節感と良く馴染むのも理解できるように思います。

つぎに新暦と旧暦について調べた内容を記載していきます。まず旧暦ですが太陰暦とも呼ばれ、月の満ち欠けの周期である朔望(さくぼう)を基準にした暦です。この計算基準は月が地球を公転する周期が約27.3日、同じく地球が太陽を公転する周期が約29.5日であることと関係しています。単純に12か月を掛ければ、現在の1年365日・うるう年と年間11日程の差が出てきます。この旧暦は天保歴とも呼ばれ、後述する新暦への移行時である1872年の明治改暦まで日本で使われていました。そのため旧暦と新暦とでは季節が若干異なり、お盆にも旧盆と新盆があるとされています。

さらに新暦は太陽暦とも呼ばれ、その起源は古代エジプトでナイル川の水害を予測するものと言われています。またうるう年を調整する必要があったため、古代ローマ将軍のユリウス・カエサルが4年に1度の補正を加えるユリウス暦を作り、さらにグレゴリオ暦へと発展していたのが現在のカレンダーだと言われます。つまり日本でも季節ごとに農作業に不可欠な日照時間・気温・水を知ることができる合理性があったと言うことです。そのように考えると日本に古くから根付いていた旧暦と新たに取り入れられた新暦の両方を使う日本の文化が、日本人特有の季節に対する感性を養ってきたと思われます。