日本の七二侯(啓蟄)
2025年03月07日
啓蟄とは、冬眠や冬の寒さを土の中で凌いできた虫が、暖かな陽気に誘われて動き出す時期と言われています。新暦では3月下旬あたりがその時期となるようです。植物で言えば、梅・桃・桜などが順番に咲き始め、春の訪れを体中で感じる季節ともされています。一部の山菜・野草類が収穫できるのもこの時期であり、本格的な春の到来を告げる時期でもあります。編集人が良く利用していた銀座の日本料理店では、1週間程山中で寝泊まりしながら山菜取りをしてくださる方から送られてきたものを、出汁につけてしゃぶしゃぶ風にして食していました。最近は難病治療のため数年前に行ったのが最後ですが、時には山菜採り名人が数十kmも山菜を探し歩くこともあり、その労力と自然の恵に感謝しながら戴いておりました。
しかし、山菜は食べ過ぎるとおなかの調子が悪くなることがあり、ほどほどに食するのが最も理に適ったことの様です。その他にも冬から春の食材へと入れ替わる時期であり、草花の息吹も感じられます。魚介類では鰆(さわら)が読んで字のごとく旬になり、鱵(さより)なども刺身以外にも天婦羅や皮焼き(串に細く巻き付けて焼く)などが美味しいことで知られています。その他にも青柳(バカガイ)などは、その色合いが美しく感じられます。
なお、「啓蟄」の語源は中国にあるとされ、同時期には冬支度として菰(こも)を木に巻いてそこに入ってきて冬を越した害虫を駆除する菰巻がされていましたが、その効果があまりないことから最近は一種の風物詩として継続されているようです。