日本の七二侯(大寒)
2025年11月04日
これまで1年間にわたって七一侯を編集人なりの解釈で綴ってきましたが、この大寒をもってこのテーマは最終回である七二侯を迎えます。大寒とは一年で最も寒さが厳しくなる時期であり、その後は三寒四温と呼ばれるように少しずつ春へと向かう季節でもあります。新暦では1月下旬あたりとされていますから、正月も終わり受験シーズンに突入する時期とも言えるでしょう。最近は冬の間に天然氷を作って貯蔵しておき、夏になると柔らかな食感のかき氷を提供する飲食店も増えているようです。これも冬の寒さがあってこその、自然からの贈り物と言えますね。
編集人のこども時代には、冬になると風邪防止のため柑橘類を砂糖で煮たものを食べていました。恐らく身体を温める作用と、かんきつ類のビタミンが免疫を高めているのだと考えています。もう1つここ20年程の流行として、関西発祥の恵方巻がスーパーやコンビニで多く売られるようになりました。また最近は商品廃棄問題がクローズアップされ、恵方巻やクリスマスケーキなども予約制を取り入れることが増えています。少し穿った見方をすれば半強制的な販売マーケティングのようにも感じますが、様々な文化を融合させることに長けている日本の文化の一端だと思われます。
その様な観点では、ワカサギなどと同じくりの大きさである目光(メヒカリ)という深海魚が太平洋岸で水揚げされ流通するようになりました。それまでは廃棄に廻されていたメヒカリでしたが、最近は脂ののった身が喜ばれて塩焼き・唐揚げ・刺身などとして居酒屋や食卓に上るようになりました。近年の海水温上昇によってこれまで当たり前だった庶民の魚がだんだん獲れなくなったり、北に生息域が移っているそうです。これからも日本文化を象徴する食文化がこれからも続くことを祈りながら、本編を締めくくりたいと思います。



