日本の七二侯(大雪)
2025年11月02日
冬が厳しい地方として知られている兼六園(石川県金沢市)では、11月~翌年3月にかけて「雪吊り」が行われます。雪吊りは地方特有の重たい雪から木の枝を守るための工夫で、木の大きさや枝ぶりによって使い分けられた縄が施されています。最も大きい唐崎松は高さ9m、枝張り20m、幹周り2.6mにも及ぶそうで、その他の木々には多くの庭師が形に応じて「小しぼり」「竹ばさみ」「四又しぼり」「リンゴ吊り」といった伝統的な手法によって保護されています。
また北陸富山湾付近では冬から春にかけてブリの水揚げが最盛期になり、特に氷見のブリ(寒ブリ)は脂がのって美味しいとされています。また水揚げされたブリは鮮度を保つために氷水につける沖締めを行うことで、輸送後も旨味が楽しめる高級魚として知られています。因みにブリ(鰤)は出世魚として知られており、一般的に関東ではワカシ・イナダ・ワラサ・ブリと呼ばれますが、地方によってその呼称も変わるとされています。
この時期の食の風物詩として挙げられるのは、海のミルクと呼ばれる真牡蠣でしょう。牡蠣は冬といった先入観が先立ちますが、実は岩牡蠣は身振りも大きくて夏でも食することが出来ます。編集人は牡蠣にレモンやポン酢を掛けて食するのが最も好きですが、偶に洋食屋や定食屋に入ると無性にカキフライが食べたくなることもあります。その場合は漬物(ピクルス)が入ったタルタルソースがあれば嬉しくなり、特にマヨネーズの味が強くなければお替りしたいほどですね。



