オフィス鴻

日本の七二侯(雨水)

2025年03月07日

立春が過ぎると山に積もった雪解け水が大地を潤し、農耕の準備が始まる時期になります。時期的には2月中旬~下旬あたりになりますが、春がもうすぐそばまで来ていると感じられる季節です。旬の食べ物は「春キャベツ」「飛魚」「蛤」などがあり、蛤はひな祭りでは定番の一品になります。また、飛魚は九州北部では煮干しの様に乾燥させて、他の出汁がでる食材と一緒に煮てから乾燥させることで、上質のあごだしを作ることができます。編集人が最初にあごだしを知ったのは今から約30年前で、当時は自動販売機でペットボトルに入ったあごだしが販売されるとは想像もしていませんでした。

また、時候の行事が全国各地で始まる時期でもあり、また早咲きの桜を鑑賞できる(関東では川津桜など)季節です。その他にも、卒業・入学等を迎える子供たちや、新入社員などは期待と不安を胸にしながらも、少しずつワクワクして来る様が眼に浮かびます。同じように自然界でも草木が芽吹く時期であり、生命の神秘を感じる季節でもあります。編集人宅でも、できるだけ食卓に季節を感じられる食べ物を1品は準備するようにして季節を感じられるようにしています。しかし、最近はビニールハウス等で栽培された蕗の薹(フキノトウ)や路地物でない野菜類が1年中販売されています。どこが、味気無さを感じることもありますが、ボイラー等で温度調節したり新たな生育技術で水耕栽培ができる野菜もでてきている時代ですから上手く食卓に取り入れていきたいものです。

因みに「雨水」とは、日本の七二候を楽しむ(白井明大著)によれば降る雪が雨に変わる時期で、農耕作業の準備を始める季節だとあります。その他にも、雪汁(山の雪がゆっくり解け出して大地を潤す)や雪代(大量の雪解け水が伴う奔流)、雪濁り(雪汁で河川が濁ること)といった普段は聞く機会のない言葉があるそうです。このような微妙な表現が多い日本語ですが、まさに日本の文化の原点のように感じます。