オフィス鴻

日本の七二侯(霜降)

2025年08月24日

霜降(そうこう)とは、朝晩の冷え込みが厳しくなって山間では霜の降りる時期だと言われています。編集人はこの時期になると3つの食材を思い出します。そのうち2つは母方の故郷であった福島県浜通りで作られたシミこんにゃくと芋がら(里芋の茎を乾燥させたもの)です。ともに先人の知恵とも言える保存食でしたが、子供ごころに芋がらの味噌汁はどうしても食べる気にならなかったことを思い出します。

もう1つは韓国の定食屋で食べたどんぐりの醤油漬けです。編集人が仕事で訪韓した時にたまたま箸休めに出して頂いたものでしたが、その何とも素朴ながら深い味わいに感動したものです。そして帰り際にそのどんぐりが非常に美味しかったことを伝えると、店主がビニール袋に入れたお土産を準備して手渡してくれました。韓国では冷麺にどんぐりの粉を混ぜることもあり、地元では非常にポピュラーな素材です。しかし日韓関係が複雑さを増してからは、訪韓する機会は無くなりました。

さて日本では、この時期になると秋田のとんぶり(ホウキギ)の収穫時期になります。その特有の食感から別名畑のキャビアとも呼ばれますが、チョウザメから採ったキャビアとは色も味も大きく異なります。また寿司屋に行くとカワハギが用意される時期でもあり、肝醤油につけて食する刺身はあん肝のコクに似た味わいです。編集人の子供も幼いころからこのカワハギが大好物で、1匹捌いていただいて食したことを思い出しますね。