日本の伝統芸能
2025年11月05日
日本文化が海外では人気の高い理由として、中国などから伝わった文化を日本流に独自アレンジしたことで、世界でも唯一無二の稀少性が受け入れられる背景があると言われます。日本は島国であり、立地的側面・鎖国政策などによって日本独自の艶やかで美しい世界観の伝統文化がたくさん生まれてきました。編集人も子供の頃に習い事として、書道(己と向き合う)や柔道(試合相手や周囲への礼節精神)に接したことがあります。つまり海外には殆ど見られない精神面を鍛えて人間として成長するという目的が、映画・マンガ・ゲーム等を通じて外国の方が興味を持つきっかけとなっているようです。
例えばサムライやニンジャなどは多くの映画でも取り上げられており、柔道・剣道・茶道・空手・相撲なども海外で普及しています。また日本独自の伝統芸能には親から子へと一子相伝という形で脈々と受け継がれる世襲制度が数多く存在しており、家元制度などとともに芸・技術と言う形で代々守られていると考えられます。特に歌舞伎・能楽・狂言・文楽・人形浄瑠璃などでは人間国宝に認定された方もいらっしゃいますが、家芸ではない一般人家庭にとっては入門・修行することすら厳しい世界のようにも見えます。実際に若手の給料は2~3百万円程度と決して高い水準ではありません。
独立行政法人日本芸術文化振興会では後継者不足を懸念して無料での研修生制度を導入していますが、かつて大人気だった歌舞伎は芸人の不祥事騒動・コロナ禍・ファンの高年齢化などで徐々に人気が低落傾向となっているそうです。それらの影響もあってなのか9分野への研修生応募人数は毎年数~十数人程度とされ、今後の継承が危ぶまれる事態に直面しています。その結果、多くの裏方の芸能師で支えられてきた演目などは難しくなる可能性が指摘されています。そのように考えると、師弟制度による伝統と言う名のハラスメント撲滅や公演収入の再配分方法などの改革も重要だと感じています。



