オフィス鴻

日本流のSDG’s発信

2023年06月24日

グローバル視点でのSDG’sとは、現在の日本が抱える様々な課題に対して「深く考えること」と「継続的に実行すること」だと考えています。また、決して物質的に現代程豊かな生活ではなかったであろう江戸時代初期頃から急速に日本文化・生活スタイルが開花し、日本の高度成長期、失われた30年を経て現在に至るまで、その時代ごとにSDG’sと同じ思想が生活の中で息衝き、形を変えながら根付いてきたように思います。例えば、1960年代頃から、日本各地で「公害」が社会問題になりました。水俣病(熊本・新潟)、イタイイタイ病(富山)、四日市ぜんそく(三重)は有名ですが、東京湾の汚染、川崎の喘息、PCBによる土壌汚染など数え上げればきりがありません。

最近では、産業廃棄物不法投棄による自然環境破壊・土石流の発生などの地域(ローカル)問題に限らず、海水温上昇・気候変動などに起因するゲリラ豪雨(線状降水帯)など、日本全体で農業・漁業や身近な生活圏への影響も目立つようになりました。また、2021年にノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏は「二酸化炭素濃度の上昇が地球温暖化に影響するという予測モデル」、2004年にノーベル平和賞を受賞したケニア出身のワンガリ・マータイ氏は「グリーンベルト運動の創設(女性の地位向上や貧困撲滅、民主化促進)」を行い、来日の際に「MOTTAINAI」という言葉に出会い、世界中に拡げる活動を行ったことは良く知られています。

これまで欧米と国連主導の基準で進められてきたSDG’sですが、日本が最も研究・経験が進んだ得意分野もありますから、単に欧米諸国の後追いではない「日本版のSDG’s」を世界の環境問題解決に役に立てるため、株主や投資家向けのアピールとして「持続可能な社会」を作る社会的責任を論じるられていますが、日本企業の自主的で独創的な取り組みにより新たな活力を生んでいくポテンシャルがあると信じています。