オフィス鴻

東京大学の新学部

2025年12月11日

東京大学が新学部としては約半世紀ぶりとなる2027年度に「カレッジ・オブ・デザイン学部」を設立すると発表しました。同学部では国際的な人材育成にあたって、秋入学方式・学士課程と大学院修士課程の一貫プログラムに加え、全寮制・約半数は海外学生・講義はすべて英語といった施策を取り入れ、国際的な大学として新たな挑戦を進めるよそうです。アジアの有力大学が世界的な存在感を高める中で東京大学が新学部を設立することは、「世界大学ランキング(イギリス;タイムズ・ハイアー・エデュケーション)で東京大学が28位、京都大が55位と世界的評価が低いことに関係があるようです。

新学部長に就任予定のマイルス・ペニントン氏(東大大学院情報学環教授)は、現代と未来の社会変革を促す次世代リーダー・具現化できるクリエイターの養成に主眼を置いていると言われています。実際に日本企業の多くでは、社会課題に関心を持ち変化を起こす意志と能力を備えた人材や、新たなアイデアを創出して課題解決していく企業風土を持っていることはあまり多くありません。あくまで一般論ですが、そこそこに仕事をこなして上司ににらまれないようにすることが結果として自らの報酬や地位を高める手段になっていることも多く、生産性向上の阻害要因になり得ます。

編集人はデザインに関して殆ど知見を持っていませんが、新学部への教員応募者は600名を超えたことはそれだけデザインと他学問との連携への期待が高まっている証しと言えるでしょう。ただしアメリカの教育機関や研究施設等で外国籍留学生・研究者が国外追放等の処分を受けていることを鑑みれば、経済・軍事安保の側面から日本でも一定の規制が必要だと感じます。確かに国外から優秀な学生を集めることは学校経営上もレベル向上面からも非常に重要だと考えていますが、ここで日本・世界の未来に及ぶしっかりとした道しるべを築かれることを期待しています。