理性と感情
2025年09月09日
以前このコラムでもご紹介した福厳寺住職の大愚和尚が、人間同士の付き合い方について「付き合ってはいけない人を見極めることが大切である」と述べています。人間同士ですから国籍は同じでの知的道徳的レベルの差があることは当然で、そこには理性と感情のコントロールとバランス感覚が重要となるとされているのです。仏教でも絶対に守ることが戒としてあるそうで、感情で物事を進めてしまうと大きな危険性があるとされています。最近は日本でも無差別殺人や凶悪事件などが発生していますが、自分勝手な価値観が先行してブレーキが効かない状態なのかも知れません。
社会の一員として暮らしていると理性と感情の微妙なバランスを取ることが、お互いの意見の違い・言い争いなどで敵対関係や関わりたくないといった感情のぶつかり合いを理性が適当な距離感を保つようにと役だっているように感じます。編集人も妻と結婚してから30年以上が過ぎ、だんだんとそれぞれがお互いを大切にすることの重要性を学んできたように思います。時には感情的になりかけることもありましたが、なんとか無事にお互いの人格否定を1度もせずにこれたことも事実です。もう少し補足すれば自分が穏やかに過ごせるよう、相手の気遣いを感じながら感謝することが大切だとも思っています。
それではビジネスシーンでどうしても気が合わない人と一緒に仕事をすることを想像してみてください。編集人は気が合わない人というより、何か1つでも相手の良い所を見つけて話題にするように努めてきました。そうすると不思議なもので相手に対する警戒心が徐々に収まってくるのを感じました。人間ですから感情が有意に支配される時もありましたが、未来永劫その人と一緒に仕事をする訳ではないと考えれば少し心の余裕ができてきました。そして「人のふり見て我がふりなおせ」の諺にあるように、相手から反面教師として学べることもあるのです。結局は心の穏やかさが自分にとって快適だと感じさせるコツだと思っています。