茶摘み歌
2025年06月05日
「夏も近づく八十八夜」の歌い出しで知られる茶摘(ちゃつみ)は、一説によれば京都の宇治田原村の茶摘歌がルーツとされています。そこには京都の宇治田原村は、江戸時代に煎茶製法を確立した永谷宗円が有名(永谷園創始者の先祖)であり山本山は宗円の茶を販売して莫大な富を築いたと言われるそうです。歌詞の意味は茜襷(あかねだすき)を茶摘み娘が肩から掛け和服の袖や袂が邪魔にならないようにしていたことを歌にしたもので、現在では作る方も少なくなったスゲ(菅)笠や蓑(みの)、注連縄(しめなわ)なども連想される、まさに日本の文化の1つです。そして八十八夜とは立春から数えて88日目を指し、新暦では5月初旬頃となるようです。いうなれば初夏から夏への移行期ですね。
さて歌詞を見てみましょう。
夏も近づく八十八夜 野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは 茶摘じゃないか
茜襷(あかねだすき)に菅(すげ)の笠
日和つづきの今日此の頃を、心のどかに摘みつつ歌ふ
摘めよ 摘め摘め 摘まねばならぬ
摘まにや日本の茶にならぬ
現代では一部の高級品を除けば機械による収穫が行われていますが、これからも日本に残していきたい大切な文化だと考えています。