オフィス鴻

論語(述而不作)

2025年12月13日

孔子と孔子の高弟たちの言行・思想を編纂した論語に、述而不作(じゅつじふさく)篇という伝えがあります。その1つに「子曰く、三人行けば必ずわが師あり。その善者を択んでこれに従い、その不善者にしてこれを改む。」という行があります。具体的に言えば自分の師匠と反面教師から何を学ぶべきなのかと言うことであり、どのような師匠にも学ぶべきことはあり、自分自身が進むべき方向性への助けとすることだと解釈しています。実際に社会の一員として生活しているとこのような場面には非常に多く出くわすものの、素直に受け入れられない自分がいることにも気付かされます。

その他に編集人が好きな行には、「子曰く、道に志し、徳に依り、仁に依り、芸に遊ぶ。」があります。人間は道を志すことから始め、徳を大切にし、仁(博愛)によって皆が幸せになるように行動するという意味だと解釈しています。例え口先だけでどのように立派なことを言っていても結局は行動で示さない限りその人物の価値は高くはないということなのですが、芸事(教養)を身に付けるのと同様に言うは易し行うは難しの典型的な生き方だと感じています。また本業に精を出せたならば、芸事(教養)の価値も自然と高まっていく上に、心から楽しめるのかも知れませんね。

最後に述而不作(じゅつじふさく)とは、昔の人の説を伝えるだけでむやみに自身の考えを作らないことを指していると言われます。代表的な言葉に「子曰く、述べて作らず、信じて古を好む。ひそかに我が老彭(ろうほう)に比す。」がありますが、まさに講師の根源的思想を表していると考えられます。謙虚な子牛(弟子)の人柄が偲ばれるような、素敵な言葉だと感じます。そこに温故知新と言った言葉を重ねてみた時に編集人はいかに自分の考えが浅はかだったことを恥じると同時に、たった100年程度の人生は短いようで長く、浅いようで深いものだと感じています。