オフィス鴻

飲食業と食育への感謝(2)

2023年05月04日

編集人の両親(父親は他界)は共に仕事をしていたため、平日夕方は妹の手を引き近所の商店街で買い物するのが日課でした。昭和40年代は、近くの商店街に肉屋・魚屋・雑貨屋・米屋・パン屋など同級生の親御さんが経営する店もあり、忙しい時には出前をお願いするのもごく日常的な光景でした。母親は東北生まれで、春は山菜、夏は野菜、秋は茸、冬はこんにゃくと芋がら(サツマイモ等の茎を乾燥させたもの)など、子供があまり好きではないものも食卓に上っていました。また、週末になると母親の下で働く従業員さんと一緒に、外食(だいたい大人5人、子供3人)に連れて行ってくれました。お気に入りはクルトンの入ったレストランのポタージュだったかな。

さて、そのような家庭環境で子供時代を過ごしましたが、両親への感謝の1つに「食育」があります。編集人が社会人となり、独立して暮らし始めてからは殆ど自炊はせず、週3~4回は夜中まで営業している中華料理屋で晩御飯を済ませていました。また、たまに早く仕事が終わると野菜や魚料理をメインとした小料理屋などで旬のものを中心に夕食を頂きました。先程の食育とお店のおかげで、この年齢になっても特に旬の食材を使った料理では自然のうまみ(太陽、土壌、水、空気などの味)を5感(特に味覚)で感じられます。

この食育が色々な場面(特に仕事上の会食など)で役に立った経験から、お店の了解を得て、自分の子供には幼いころから調理人の所作が見える個人経営の寿司店(有名な女優さんが良く来店されていました)のカウンター席に座らせていただいたり、興味を持った料理、美味しいもの、自然のものを食す機会をできる範囲で与えてきました。その日の食材を見て注文したり、日本食とは異なる食文化(イタリアン、北京料理など)の経験が、いずれ子供(既に成人しています)にとって後々役に立ってくれればと思います。