CQ(文化理解力)
2025年09月08日
CQ(CulturalIntelligence;異文化適応力)が高い組織と低い組織の違いは、ダイバシティを標榜する企業が増えている中で他の文化を理解するための機会が適切に提供されているかで一定程度判断できると編集人は考えています。そして文化的背景の異なる従業員・取引先とも柔軟かつ共に協働できる仕組みが無ければ、固定観念による弊害が表れるのだとも思うのです。CQは最近の企業経営ではIQ・EQに次ぐ第三の知性とも呼ばれていますが、例えば日系企業でも様々な価値観を持っている方が働いている訳で、海外だけでなくこれも文化の1つだと認識できれば職場の雰囲気などを変化させられる力になるとされています。
ここには長年にわたって受け継がれてきた国民としての文化と企業風土が密接に関連しているようです。日本人特有の「和(調和)を重んじる力」「(見えない)空気を読む力」は昨今世界中から注目される文化ですが、企業組織はトップ次第でいかようにも文化を変化させられるものだと認識しています。特に多様な文化に優劣をつけることはその時点で相手の価値観を尊重していることにはならず、融和と迎合を繰り返すことはカオスのような組織から脱却することへの大きな障害となる可能性を孕んでいます。さらに同質化・低生産性をイノベーションによって変化しなければ、いずれ限界を迎えることでしょう。
その点に企業が注目している理由として、最も創造性が高く変革が起こりやすくするためには多様な文化(単一文化ではないということ)を受け入れても、CQが低ければ組織力によるアウトプットがが高まらないとされているからです。当然単一文化組織では平均的な成果を挙げていくことは可能ですが、その弊害として改革が起こりにくいと言う弱点を克服していく必要があると考えています。日系企業と日本人がこの多様性を素直に受け入れるためには、結局のところトップダウンだけでなくボトムアップを繰り返すことが不可欠でしょう。今後日系企業の多くが、この問題を肯定的に捉えられるのかが発展の必要十分条件だと思っています。