Bocuse d’Or(ボキューズ・ドール)
2023年12月10日
「ボキューズ・ドール(Bocuse d’Or)国際料理コンクール」は、国内予選、大陸予選(アジア・パシフィック、ヨーロッパ、ラテンアメリカ、特別出場枠でそれぞれ開催)を勝ち抜いた24か国の代表シェフが、2年に一度開催されるフランス本選(リヨン・シラ国際外食産業見本市内で開催)に出場できるフランス料理コンクールで、コンクールの公平性を守るため、審査員は本選に出場する24か国から選出された24名で構成されます。2023年大会では、「魚」がテーマで、味、温度、色、盛り付けなどの採点により、日本は12位となりました。
「美食のワールドカップ」として気鋭のシェフ達が競い合う研ぎ澄まされた美食の技と創造力、そしてアイデンティティが凝縮されたこの大会からフランス料理の新たな可能性が生まれ、料理界の発展・向上に寄与しているそうです。今回も北欧常勝国が上位を占める中、日本の参加者・関係者のコメントが非常に潔く「力量・経験・準備などの圧倒的な不足と戦略性構築の失敗」が原因であり、優勝するためにはチームの総合力(編成・人選・準備期間など)を根本から見直す必要性があること、および国や業界を挙げた総力戦で臨む態勢づくりなど、既につぎの課題にまで触れられていたことがとても印象的でした。
また、フランス料理界に限らず、日本の料理界の位置づけ、食品・調理器具業界との共存関係、シェフのキャリア形成などにも言及しており、「日本の料理産業の未来を見つめる必要性」に触れていた点では、働き方を含めた日本文化の発信・伝承方法、異質性の受け入れ、グローバル通用度の見極め、新たな発想(斬新性)など、多くの業界での共通課題として浮き彫りになり、失敗から多くのことを学んでいる姿勢に共感を覚えました。