オフィス鴻

ジャストインタイム

2024年01月07日

日本の代表企業であるトヨタが開発した生産管理システムに「ジャスト・イン・タイム生産方式(just in time、リーン生産方式とも呼ばれる)」が挙げられます。もともとは製造業を中心として広まった生産管理効率化システムで、物流におけるジャストインタイムとは「必要なものを必要なときに必要な分だけ配送する」配送方式で平準化生産が可能な大量生産製品に限って活用できるという重要な前提条件があります。製造業における過剰在庫はキャッシュフロー悪化を招き、過少在庫(欠品)は販売機会損失につながるので、「必要なものを、必要な時に、必要なだけ生産する」ことができれば、製造業の生産と作業のムダを省くことが出来ます。一方で、最近系列部品製造企業等がシステムトラブル(ハッカー)の標的にされ、生産がストップしました。

しかし、製造業では配送納品量の最適化で、配送スケジュールの効率化・多頻度小口配送・定時配送の遵守・欠品防止などの実現が可能ですが、運送事業者の立場では、英語で「Just in Time Delivery」と表現されるように積載率に関わらず部品・製品等を製造業の都合に合わせて定時配送する必要があります。つまり、下請企業には発注される生産(納品)量のばらつきによって作業人員手配などの負荷と非効率性という面を持ち合わせていることになります。そのため、工程・在庫を停滞させない臨機応変な人材配置である多能工化など、業務量や業務負荷の平準化、トラック手配など多くの課題が存在することも事実でしょう。換言すればトヨタだから導入できたとも言える方式であり、食品輸送では在庫融通が効くように当日早朝に配送拠点まで運ぶ形として一部活用されていました。

現在の物流事業者は、リードタイムから逆算して小売側の要望に合わせる形でITツール・IoT・AIなどを活用しながら進捗管理・作業調整を行うことが多く、働き方改革を発端とした「運送2024年問題」でも最新タブレットやデジタコ・ドラレコ導入などだけでは実現できない効率化を図る必要性に迫られているのです。