ダブル連結トラック
2024年06月05日
ダブル連結トラックとは、大型トラックシャーシ(荷台)を大型トラックに連結することで2台分の貨物を輸送できるもので、国土交通省が貨物自動車運送事業における中継輸送実証実験モデル事業とともに輸送効率向上に向けた実証実験を行い、首都圏発着を中心に特別積合事業者(路線便)が実運行しています。しかし、その全長が25m(これまでの法律では連結車は21mまで、大型トラックは12mまで)を超えること、および連結型トレーラーの車両特性上から高い運転技術が求められるため、現在の日本の物流インフラでは全ての物流事業で導入するには高いハードルが存在することも事実です。
特に、「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(厚生労働大臣告示)」ではトラック、バス、ハイヤー・タクシー等の自動車運転者について、労働時間等の労働条件として拘束時間の上限、休息期間等について基準が設けられていますが、高速道路に設置された大型トラック用駐車スペースへの乗用車の駐車が後を絶たず、休息時間を確保できないことも問題になっています。ましてダブル連結トラックともなれば、専用スペースを設けなければ駐車すらできないため、NEXCOでは専用のスペースを設け2週間程度前から予約できるシステムを試験導入しました。
もともと物流2024年問題の根源的原因は、処遇改善が進まないことでの労働者不足と旧来の日本的商慣習からくる非効率なサプライチェーン(SCM)の2点だと言われています。しかし、そこに消費者が緊急性がない即日・翌日配達を求めたり、本来商品保護のための梱包資材(段ボールなど)の一部破損(商品自体には破損が無い場合が殆ど)にも荷受側がクレームを入れたりするため、日常生活にとって重要な社会インフラ(施設・車両・人員等)を圧迫する要因を作りだしていることを改善する取り組みが求められているのです。つまり、1人1人が意識・行動・習慣を少しづつ変えていくことが、交通事故を減らし、物流インフラを維持できるのだと考えています。