チェックリストの効果的活用
2023年06月08日
数年前、某学習塾が「55段階方式」なる指導法のCMを流していました。ABM(活動原価管理)の効果検証の1つに作業別チェックリストの活用があります。これは、倉庫作業、運転業務にも共通していて、新人教育・正しい手順・多能工化以外にも、教育担当の人事評価への動機作りにも活用できます。倉庫内作業を受け持つ新人の退職理由は、仕事内容を正確丁寧に教えてもらえずミスをしてして叱責されたり、教える側の支援不足や配属部署内での人間関係にあることが殆どです。
これを解決する業務手順書(マニュアル)整備も大切ですが、教える側が正確に理解・運用していることが前提となります。そこで、現場責任者と一緒に業務別チェックリスト(作業単位)を作成してもらうことから始め、前後工程の責任者と齟齬や重複がないか擦り合わせを行えば、現職の従業員の再教育や新たな改善にも繋がります。これを繰り返していけば、自然と事業所現場の作業品質は向上していきます。評価方法は、新規入植後に1回目、その後は1年2回程度(賞与・昇給査定などによる)の面談と評価を、1人1時間程度で「◎・〇・△・✖・#N/A」や「1・2・3・4・5」方式でもその職場に適した方法で行うだけです。
日本では業務を特定せず企業メンバーとして採用する終身雇用の「メンバーシップ型雇用」が主流ですが、海外で普及しているジョブ型雇用として「職務記述書(Job Description)」があり、日本の大手企業の25%が採用しています。特に、アルバイト・パートタイムといった働き方を選択する方にとっての職務記述書と正しい統一マニュアルを整備することが定着と生産性に大きく結びつきます。また、個人単位の職務内容・責任範疇・スキル・資格などをデータ化しておけば、その後の処遇にも活用できるでしょう。