デマンド交通から学ぶ
2023年03月27日
デマンド交通システムとは、過疎地等での生活インフラとなる路線バス・タクシーの中間的な位置づけにある乗合型運送事業を指します。特に新型コロナウィルス禍以降、九州に本社を置くタクシー会社のCMが良く流れており、編集人が企業調査報告等を調べた限りでは、タクシー事業と周辺事業との相乗効果(買い物支援・介護・不動産・墓参代行など)へ軸足を移しているように読み取れます。
一方で、旅客運送事業は短期的実証実験の範囲でも国土交通省の道路運送法の許可が必要です。高齢者・交通弱者の移動手段であるバス路線の減便・廃止が進む中、特に地方の中山間部ではAI配車を必要としないくらいの低稼働率や低収益性があることは否めません。また一般貨物・特別積合(路線)・宅配便などと運ぶ機能を相互融通できるケースもあり、荷主を含めた新システム開発と安価で利用できる共通プラットフォーム構築(「(仮)Traffics Core System」と呼んでいます)での利便性の維持・向上が地方再生に活用できると考えています。
また、コンビニ、ドラッグストア、GMS(スーパー)の合従連衡・多業態化を見るまでもなく、店舗販売を支えるB to Bはまだまだ人手を要することから、運送業界内の系列化(M&A)も併行的に進むとも考えられます。よって、環境負荷・運転手不足などの課題解決策として強い経営基盤を持つ企業が中心となった積極的で素早い取組みを行った企業が先行者利得の恩恵にあずかる一方で、その他事業者との二極化が起こるとも想定しています。