オフィス鴻

トラックの定速走行

2024年12月26日

ここ数年で多くの自動車にドライブレコーダーが装着され、交通事故等の過失割合や事故原因究明に役立つようになりました。また、「交通渋滞学」を研究する分野では高速道路上での渋滞多発場所に共通する特徴の1つとして、上り勾配に気づかない乗用車による速度低下が指摘されています。また、街中ではあまり問題視されることはないのですが、バックミラーに映ったトラックを見て「あおり運転」だと勘違いするドライバーもおり、よくよく調べると多くは乗用車の不安定速度に起因して徐々に後続車との車間が狭くなってくることで、トラックの車影が大きく見えてしまう現象が存在します。もちろん、公道を含めて明らかあおり運転であれば証拠としてドライブレコーダー画像を提供すれば警察が適切に違反行為の有無を判断してくれますので、自分を守る意味でも可能な範囲でドライブレコーダーの装着はした方が良いと考えています。

特に高速道路上では、大型トラックに速度リミッターが装着されて以降、トラックドライバーの身体的・精神的負荷が高まったとも言われています。社内規定速度オーバーをすれば何かしらのペナルティが課される運送会社も多い一方で、納品時間・法令厳守のために一定速度での走行がトラックドライバー・積載貨物にとって大切なのですが、中にはわざわざトラックが安全確保(急ブレーキ制御)のために前方に作ったスペースに無理に乗用車が入り込んで(割込み)きて、その後不安定な速度での走行を繰り返す迷惑な乗用車も多く見かけます。トラックのエンジンは乗用車とは異なり急加速できる仕様として製造していません(一部、違法改造車両もあります)。そのため、一旦速度低下してしまうと中々制限速度の範囲では安全運行を続けるのが難しいのです。

実際に夜間の高速道路では大型トラックドライバー同志がお互いに相手の立場も考えながら追い越し車線を走行することもありますが、ある一定のルール(法律で定められている訳ではない)で事故を防ぐ役割を果たしていることを見ることが出来ます。