トラックの待機場所
2025年08月03日
今年4月、大阪府警が路上駐車をしているトラックに対して一斉取り締まり(駐車違反)を行ったことが報道されました。この場所は納品先の始業時間(開門時間)まで大型トラック等が一般道路上に待機していたもので、多い時には約1Kmにも及ぶ路上駐車が常態化していたと言います。当然近隣住民からは苦情が多数寄せられており今回の摘発に至ったという経緯だと思われます。大阪以外にも首都圏・高速道路のSA付近などでは同様の路上駐車は多く見られますが、最も心配されるのは路上駐車車両に衝突する交通事故による第三者への被害でしょう。ただしこの一方的な物の見方では、いずれ生活物資が届かなくなるリスクは解消できません。
編集人は実際に大型トラックに乗務したことがあり、また物流センターの設計・運営にも携わっています。その視点から鑑みれば、最も大切なことはなぜそのような問題が起こるのかと言った背景をしっかりと把握して対策を講じている自治体・監督官庁がどれだけ本気なのかと言ったことが挙げられます。実際にトラックに乗務するとわかるのですが、納品場所に十分な駐車・待機スペースを確保することは余程のことが無い限りコスト的に難しいことから、結局は自分本位(納品先の論理)のルールを運送事業者に押し付ける傾向があります。特に納品時間指定などは最たるもので、遅延ペナルティを課す納品先・荷主も多いのが実情でしょう。
しかし改善された例も少なからず存在します。一例を挙げれば東京大田区のコンテナ埠頭での駐車問題があります。片側3車線の道路の第一・第三通行帯が荷卸・積込待ち等のトレーラーで塞がれていましたが、国土交通省の実証実験(時間割り当て方式)で順番取りをしなくて良くなったため違法駐車がほとんど見られなくなったことです。そのような観点でアプリ等による順番アナウンスができる納品先も増えてはいますが、実際には遠くない場所(概ね30分以内で到着できる)で新たな違法駐車が起きていることも事実です。言葉は適切でない可能性はありませんが、責任の押し付け合いでは解決しないでしょう。