オフィス鴻

トラックマッチングビジネス

2024年10月09日

今年の春頃から、編集人へのアドバイス依頼内容案件が3PL・低温物流・車両マッチングビジネスで占められる状況で、業界を問わず世の中の物流を見る着眼点が確実に変化していることを肌身を持って感じています。具体的には、ITベンチャー企業等がこれまであまり関心を示していなかったロジスティクス分野(特に運送事業)に生成AI等を活用した新たなプラットフォームサービスを提供することで、ITベンダーとしての独自性や収益性(資金調達方法等を含む)があることに気が付いてきたことにあると考えています。

その先駆けとなったのが、Uber社やタクシーの日本交通グループが提供する配車アプリ(TAXI GO)の浸透が大きな要因であると編集人は思っていますが、これが運送事業者用の共通プラットフォーム構築・運用とは一線を画していることはあまり理解されていません。その違いは、有償旅客運送の殆どが時間・距離併用型の共通性の高いスポット運行であるのに対して、有償貨物運送は商流・SCM・法令(特に改善告示基準)・納品条件といった制約条件が複雑に絡み合っているため、単純方程式だけでは解決できない点にあります。そのため、複数のベンダーがある特定の条件下でのみ有効なプラットフォームを構築してサービス提供しています。ビジネスモデルとしては基幹プラットフォーム使用料と成約手数料で成立する単純なものですが、天候・渋滞等の不可抗力要因までコントロールすることは生成AI技術を導入しても難しいのが実情でしょう。

具体的には、HAKOBU社(大手製造工場向け)、トラボックス社・トランコム社(第一種利用運送事業向け)、アントレ社(主に軽貨物向け)など、様々な特徴を前面に出したサービスが提供されています。しかし、実態はトラック運行には欠かせない情報が不足していること、需要供給バランスのアンマッチで値崩れが起きやすいなど、まだまだ改善の余地が多く残されています。