トラック運賃の低下
2026年02月21日
このコラムで編集人は「2024年問題」に起因する運賃高騰化は、いずれ運送業界内で消費量減少に伴う安値受注競争が再発することを警告してきました。実際に昨年秋頃から貸切チャーター便運賃が4年ぶりに下落傾向にあると日本経済新聞・全日本トラック協会・日本貨物運送協同組合会が発表し、荷動きの停滞による需要不振が明確に反映されていることを感じます。ただこのデータには多くの課題があり、それは運送仲介システムの制約運賃指数を使用している点です。簡単に言えば水屋(仲介事業者)がシステム使用料等の名目で10%程度を徴収しており、現場の運送会社への恩恵が少ないためです。
最近スポットワーク市場での募集単価が上昇していることと連動しているとも編集人は考えており、所謂仲介ビジネス(人材派遣・インフラ提供・返礼品等)のあり方にメスが入れられていることを鑑みれば今後の仲介ビジネス形態が大きな曲がり角に来ていると思われます。貨物・トラックの需要アンマッチはこれまで運送業界内で大きな問題でありましたが、理論上はAI技術導入などで実需と運賃の乖離が少なくなると予測されています。しかし運送事業者の収入は実際の値上げ額を相殺してしまうほどの手数料を支払う必要があり、経営の健全化には寧ろマイナスの影響があるとも言われています。
なぜなら日本で最も消費者に近い短距離(1日200km以内)貨物輸送に占める対売上高人件費の割合が社会保険料・賃金ベース上昇で圧迫されているため、他の経費を削減しても先述の手数料が足枷になるからです。これまで中小運送事業者同士では比較的低額の手数料での貨物(仕事)融通が行われてきていましたから、年末年始等の一時的需要増大に対する経営資源(車両・乗務員)を絞りこんでいるのです。編集人が経営サポートしている中堅運送事業でも無理な人材募集・事業拡大に頼らない方法として、全ての契約書の見直しを行いながら顧客との関係性を強化しています。



