オフィス鴻

トラックGメンの成果

2024年07月23日

国土交通省が設置したトラックGメンの具体的な成果について同省自動車局は発足から1年間で170件の違反行為(荷主88件、元請81件、倉庫等5件)に対する改善要請を行い、そのうち2件は社名公表を伴う勧告処分(王子マテリア株式会社・ヤマト運輸株式会社)が行われたとありました。また、荷主・元請企業への是正働きかけは635件に上ったと言います。全部で162人が配置された初年度の成果としては運送事業者側が取引停止を危惧する現状を鑑みるとまずまずのスタートだと言えそうです。ただし、社名公表が2社に留まり改善内容も長時間の荷待ちが最も多かったこと以外は発表されておらず、具体的な成果検証をするにはまだ多くの時間を費やしそうな見込みです。

トラックGメンの主な活動内容は、運送事業者への聞き取り(荷待ち時間、運賃の適正性、契約外業務の有無など)とされていますが、経営者・配車担当者などは荷主からの不利益(取引縮小・停止など)を恐れて実態を話さないケースが多いことは容易に想像できます。運送事業現場を荷主・運送事業者の両方の立場で見てきた編集人にとっては、十分に予測できる内容ですが、自由競争の名のもとに隠れ不正行為に手を染める荷主・元請事業者が多い中での調査(実際には運送業者の3割しか回答していません)には大変苦労されていることと思います。これをドライバー(運送事業者)側の視点に立ってみると異常気象時の無理な運行指示、法令違反を伴う運送指示、過積載運行等は後を絶っていないようで、重大事故・人身事故に繋がる可能性があるだけでなく、事故によりドライバー自身の一生を台無しにするような危険性と背中合わせの状態で仕事をしているとも言える訳です。

中間流通分野を専門分野として実業面から関わってきた編集人からすれば、大切な友人や協力業者従業員を業務中の交通事故で亡くした経験から、安全運行を第一として考える習慣が身に付いていますが、荷主側の事務職であっても実際の現場を正しく把握している企業は優良な荷主であることが多いと感じます。