ブラックフライデー
2026年03月10日
日本の年末に浸透してきた感のあるブラック・フライデーはアメリカが在庫一掃によって黒字化すると言う、一種の販売戦略から始まったとされています。昨年は11月中旬ごろから宅配会社が年内の配送期日・時間指定は完全にはできないであろうと発表し、実質的に12月初旬から宅配貨物の受付一部停止を開始しました。当然ながら消費者も少しずつ発送日を早めることとすることで、相手先に年内に届く方法を選択しています。物流が想定量(輸送量)を上回ってしまえば、物流インフラの一部機能が破綻することでドミノ倒しのように現業に無理を強いる繰り返しとなっています。
良く「物流2024年問題による労働時間規制等」がこれらの背景にあると言われていますが、編集人の個人的見解では過剰労働で成立している社会システム・ビジネスモデル自体の変革期ににあると考えています。もっと直接的な言い方をすれば、通常期からこの社会インフラを安定的に運営するだけのコストを誰が負担するのかを深く考えていくことにあると考えているのです。繁忙期には配送料を異常なほど高くかつ遅延が常態化していること、閑散期には運送事業者同士が安値受注による物流確保競争をすることによって自らの利益を減らしていくことがその証明だと思われます。
一方で置き配・宅配ボックス・ダイナミックプライシング(時期により運賃を変動させる方法)などの施策は進められているものの、物流機器の根本的解決策の1部に過ぎません。国土交通省が主導しながら、厚生労働省・経済産業省・総務省などと協働しながら諸施策を進める必要があるでしょう。特に国土交通省は現業部門に大きな負担をかけて政策を推し進めてきたものの、実際には厚生労働省では宅配業務委託者(軽トラックによる配送者)の労災を認めるなどと矛盾したような事態も発生しており、国民も単に安価なEC物流についてもう少し考える必要があると考えています。



