オフィス鴻

プロドライバー認証2

2024年06月09日

編集人はトラック事業専業会社を立ち上げた際に、このプロドライバー認証制度について相当議論いたしました。結論から言うと、イギリスやドイツで行われている建設業者の主に技術面を重視したランク評価(バッチ)を参考にしましたが、荷主側が優良なドライバーに対してアディショナルフィー(指名料金)を支払わずに、実質的にドライバーを指名・拘束することが取引条件となるような形です。もちろん、最低限のドライバーとしての力量(運転技術、報告、作業の早さ・正確さなど)が求められるのは当然ですが、それ以上の働きで貢献してくれるドライバーには相応の対価が支払われるべきだと考えています。

現在、70%以上の荷主企業が運送2024年問題でコストが上がることを経営上の懸念事項としているとの結果が帝国データバンクの調査で明らかになりました。また、以前の普通免許ではいわゆる4t車まで運転できましたが、最近の度重なる免許制度改正により、トラックは架装等の関係から車両総重量が重く、架装減トンの影響から積載重量による配送効率化を求める荷主が指定した車両に乗務するには準中型・中型免許を取得する必要がでてきました。また、無理な納期・運行等を求めながらも運賃値上げ(交渉はする)には結び付かない荷主も多くありますので、国土交通省を中心に荷主への罰則規定(罰金100万円、社名公表)を定めましたがその有効性は限定的であると思われます。

さて、編集人が高齢化と人員不足が深刻なトラック業界において掲げた3つの目標(KPI)の一部を公開すると、①改善基準告示を遵守できない業務からの撤退、➁現場管理者・配車担当者の再教育(マイスター制度;名称は同じだが中身は違います)③ドライバー採用基準の底上げと家族の理解・毎年の昇給・定年後も給料が下がらない仕組み、といった内容です。つまり、安心して働ける職場環境を提供することで結果的に事故・教育コストが減少した分をドライバーの発揮能力に合わせて再配分する方式に変更しました。