ロジスティード社
2025年04月14日
ロジスティード社は元々日立物流と言う日立製作所の子会社でしたが、2023年にアメリカ投資ファンドの傘下で約6,000億円で買収されその業容を拡大していきました。20年程前には日立物流は業界内では日立の情報技術を導入して顧客の物流部門を支援する取り組みを主にしていましたが、一方では情報投資・IT技術が他社では対応できない(高額な再投資になる)ことから、「IT技術によって顧客が他社に乗り替えできないようにする企業」として陰口を言われていたのを思い出します。現在は、M&Aによりその業容拡大を図り売上高も1兆円が見えるところ(最大手のNX(日通)が2兆円弱)まで成長しています。
最近の事例では、アルプス物流(アルパイン)のM&Aにおいて複数社が応札したディール(契約)で買収に成功しています。既に、多くのメーカー系物流子会社が売却され戦国状況にある大手物流会社間の競争は熾烈で、さらに日本の人口減少から需要減少は避けられない状況にあります。その中で労働時間規制など、物流業界を取り巻く経営環境は日に日に厳しさを増していますが、他者にはない技術を持った企業が生き残りをかけて更に成長する可能性があることはあまり世間には知られていません。編集人が10年以上在籍していた総合物流企業でもM&Aは盛んに行われていましたが、国内需要が減少する中でアジア圏での事業拡大を目指す企業は多く、また企業風土の融合には非常に時間がかかります。最近の若手人材不足も物流業界では課題であり、今後他業種に比べて低いと言われてきた年収・処遇も相応になってくるものと思われます。
良く使われる手法としてSP(ストックオプション)導入がありますが、どの企業に勤めても感じるのは「モノ・ヒトを大切にしない企業は、徐々に衰退する」ということです。端的に言えば、事務所の備品・駐車場・倉庫の整理整頓状況を確認するため、編集人は子会社経営管理を通じて、協力業者を含め必ず現場・本社にしげく通うことを大切にしていました。